足を伸ばして寝られるかが大事
車中泊で気をつけたいのが、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)です。せまい場所で、同じ姿勢のまま長い時間を過ごすと、足の血管に血のかたまり(血栓)ができ、それが肺に流れて詰まることがあります。
※この記事は、公的機関や学会が公開している情報をまとめたものです。体の不調があるときは、医師に相談してください。
なぜ車中泊で起きやすいのか
日本呼吸器学会は、足が長い時間低い位置に置かれ、動きがさまたげられると、肺塞栓症のリスクが高まると説明しています。そのうえで、足を自由に伸ばせる環境を確保することを強調しています。熊本県も、長時間同じ姿勢でいることや水分不足などで、エコノミークラス症候群を発症するおそれがあると注意しています。
座席に座ったまま眠る車中泊は、まさにこの条件にあてはまります。
熊本地震では、車中泊の人に多く発生
2016年の熊本地震のあと、入院が必要な静脈血栓塞栓症の患者が県内で51人確認され、そのうち42人が車中泊をしていた人でした(2016年4月19日〜5月31日の調査をまとめた論文による)。
※坂本憲治ほか「熊本地震後に発生した静脈血栓塞栓症と対策プロジェクト」日本血栓止血学会誌(2022年)より。
公的機関・学会がすすめる予防法
厚生労働省は、予防のために次のことを挙げています。
- ときどき、軽い体操やストレッチをする
- こまめに、十分な水分をとる
- アルコールを控える。できればたばこもやめる
- ゆったりした服を着て、ベルトをきつく締めない
- かかとの上げ下げをしたり、ふくらはぎを軽くもんだりする
- 眠るときは、足を上げる
日本呼吸器学会は、水分は500mLのペットボトル2本を目安にこまめにとること、1日20分を目標にウォーキングなどをすることを挙げています。また、車中泊が必要な人などには、弾性ストッキングの使用をすすめています。日本循環器学会などの学会も、こまめな水分補給、足を動かすこと、弾性ストッキングの使用などを挙げています。
「足を伸ばして寝られる長さ」を確かめよう
シートを倒して足を伸ばせるかどうかは、車によって大きく違います。このサイトでは、メーカーが公表している「寝られる長さ」をもとに、あなたの身長で足を伸ばして寝られるかを車種ごとにチェックできます。
車種一覧(あなたの身長で寝られるクルマは?)から、気になる車を開いてみてください。室内長と寝られる長さの違いは、こちらの記事にまとめています。
出典
- 厚生労働省「エコノミークラス症候群の予防のために」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html
- 日本呼吸器学会(災害時の肺塞栓症の予防) https://www.jrs.or.jp/citizen/disaster/pcli/
- 日本循環器学会ほか(2018年6月18日) http://www.j-circ.or.jp/osaka_eq2018/20180618_vte.htm
- 熊本県(避難生活での健康の注意) https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/44/274480.html
- 坂本憲治ほか、日本血栓止血学会誌33巻6号(2022年) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsth/33/6/33_2022_JJTH_33_6_648-654/_html/-char/ja

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